千寿流 え、4コマ漫画のネタとか、どうやって考えればいいんだろ……
夜深 そういうことなら僕に任せてよ。ちょっとしたコツさえ覚えれば、初心者でもすぐネタ出せるんだよ
雪 わ、私、気になりますっ!
夜深 ちなみに、これまで描いた4コマはここにまとめてあるよ。実例を見ながら読んだほうが、イメージしやすいと思うな
1. 日常の“ちょっと変”を見つける

夜深 まずは身近なことを観察するのが基本。日常の小さなズレ、違和感、面白いと思った瞬間をメモするんだよ
初 思ってたよりも真面目ね………
4コマ漫画って、意外と大きな事件や壮大な展開じゃなくても成立します。むしろ、ちょっとした日常の変化や“ズレ”を笑いに変えることが大事。たとえば、朝のバタバタの中で家族が言う何気ないセリフや、ペットの行動のクセなど、読者が「あるある」と思える瞬間こそ、強いネタになります。
夜深 例えばさ、冷蔵庫の前で『何か食べる?』って毎回聞く家族とか、猫が書類の上を気づかずに歩くとか、そういう“あるある”を使うと笑いに変わるんだよ
ポイントは“自分や周りのちょっとした違和感を見逃さない”こと。
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毎回同じ動作をしているけど、よく考えるとおかしい
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普段なら見慣れた光景だけど、よく見るとちょっと変
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読者も体験したことがある小さな“あるある”
こうした小ネタは、コマを短くまとめやすく、笑いや共感を生みやすい。
千寿流 なるほど……身近なことからネタを引っ張るんだね
さらに、ネタの幅を広げるコツとして、日常の“観察対象”を少し意識的に変えてみるのもおすすめです。
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自分自身の行動:思わずやってしまうクセや口癖
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周囲の人:家族・友人・同僚のちょっと変わった行動
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環境や物:よく見る道具や家具、季節の風景
これらを“面白いかも”と思った瞬間にすぐメモしておくと、後で4コマのネタに組みやすくなります。
スマホのメモでOK。量をためておくほど、ネタを組み合わせて新しい話を作ることができるので。
雪 なるほどなるほど
2. 起承転結を意識する
夜深 4コマは短いからテンポが命なんだよ。狙ってない難しい話とかは無し!基本は“起承転結”でOK
基本はこの流れで作るとラク(これは4コマに限ったことじゃないけど)
起:状況の解説
承:動き
転:予想外の展開
結:オチ
千寿流 へえ……なんかあたしでも出来そう
夜深 じゃあ、具体例を出すとわかりやすいかな。猫ネタで考えてみよう
起:テーブルの上で猫が寝てる
承:主人公が書類を置く
転:猫、書類をぐちゃぐちゃにする
結:主人公が床で仕事を始める
千寿流 あー、確かに!短いけどちゃんと物語になってるね
雪 なるほど、意外性が“転”なんだね!
夜深 そうそう。起承転結を意識するだけで、どんな短いネタでも読者に笑いに繋げやすくなるんだよ
3. “もしも○○だったら?”で発想する
夜深 ネタがどうしても思いつかないときはさ、無理に現実にこだわらなくていいんじゃなかな。そんなときに便利なのが“もしも○○だったら?”って発想
千寿流 もしも……猫がお料理を手伝ったら?
夜深 それいいねえ。まあ作風もあるからさ、何でもとはいかないけどね
雪 けど、魔法少女ものにはマスコット的な存在がいつもいますし、そういうのも面白いかもしれませんっ!
4コマ漫画は、現実+ちょっとした非現実の組み合わせが相性抜群。「もしも」を使うと、オチまでの道筋が自然に作りやすくなります。
たとえば──
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もしも、道端に落ちてる一億円を拾ったら?
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もしも、クラスメイトが突然宇宙人になったら?
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もしも、ペットが人間みたいに喋ったら?
夜深 例えば千寿流ちゃんが言った家事手伝いの猫。この“もしも”を考えた時点で、『でも絶対うまくいかないよ』とか『たぶん余計なことするよ』って、もうオチが見えてくるでしょ
初 まあ、想像した瞬間に失敗する未来が浮かぶわね
ポイントは、非現実を盛りすぎないこと。世界を丸ごと変える必要はなくて、「日常の中に一つだけおかしな要素を足す」くらいがちょうどいい。
夜深 現実ではありえないことを一個だけ足す。それだけで、4コマの“転”と“結”が勝手に完成されちゃうわけだね
4. ネタ帳を作ろう
夜深 で、ここまで来たら絶対にやってほしいのが“ネタ帳を作ること”だね
千寿流 ネタ帳……?
夜深 これはちょっと大げさな表現かな。スマホのメモでも、ノートでも、なんでもOK
4コマ漫画のネタは、思いついた瞬間が一番新鮮。「あとで考えよう」と思っていると、だいたい忘れる。お風呂で思い出そうとして出てこないなんて経験あると思います。
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面白いと思った会話
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ふと浮かんだ“もしも”
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日常で感じたちょっとした違和感
これをその場で一言だけでもメモしておくのが重要。スマホで写真を撮るのもあり。
夜深 文章になってなくていいし、『猫+掃除』『一億円拾う』みたいな単語だけでも十分だね。もうなんでもいい
雪 あっ、それならできそうです!
初 ……あとから組み合わせる前提、ってことね
夜深 そうそう。4コマは短いぶん、小ネタの数がそのまま武器になるんだ
ネタ帳にストックが増えてくると、「このネタとあのネタを組み合わせてみよう」ということもできるようになる。それで検索かけてもいいし、家族や友だちに聞いてネタを貰うのもあり。自分で発信できない価値観は客観視という意味では超重要。
夜深 ネタが出ない人ほど、才能がないんじゃなくて“ストックがない”だけ。
溜めておけば、描くときに一気に楽になるよ
まとめ
ここまでのポイントをざっと振り返ると──
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日常の中にある“ちょっと変”を見つける
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起承転結を意識してテンポよく組み立てる
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キャラ設定や“もしも○○だったら?”で発想を広げる
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思いついたネタは、その場でメモしてストックする
夜深 この辺を意識しておくだけでさ、「ネタが思いつかない……」って悩む時間、かなり減ると思うよ
千寿流 なるほど……特別な才能が必要ってわけじゃないんだね
夜深 そうそう。4コマは“観察と積み重ね”が一番の近道なんだよね
千寿流 よーし、今日からネタ探し、ちょっと意識してみる!






